ガワッパの証文
小宮地 棒の鶴(ぼうのつる)

夏は、川に沿って風が抜け、せせらぎの音と
併せて、涼しさを感じる名所です。
中央の岩に文字が刻まれています。

 小宮地に流れる流合川上流、棒の鶴地区にある阿蘇神社の脇の小さな渕。川の真ん中あたりにある岩に、「八大龍王宮諸大眷尻」と文字が刻まれている。

 その昔、ガワッパが泳ぎに来た子どもの尻を取るので、里の人たちが協議の末、村一番の力持ちに頼みガワッパと相撲を取らせることになった。取り組み前には、お辞儀をするものだと聞かされたガワッパは、お辞儀をしたばかりに頭の上にある皿の水をこぼしてしまい、簡単に降伏してしまった。

 刻んだ文字が消えるまでは決して尻を取らない、という一礼(証文)をガワッパに入れさせて以来、事故は起きなくなった。しかし、「八大龍王宮諸大眷尻」の文字が薄れてきており、これは、夜な夜なガワッパが一生懸命に文字を消すために、こすっているのだと伝えられている。


 最近の研究では、証文は「八大龍王宮諸大眷”尻”」ではなく、旧字体の「属」の文字が薄れたのではないかと推察され、新和町にある八代竜王の石碑の一つではないかという考察もされている。

2020年12月05日更新